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「チームバチスタの栄光」 [読書感想文]

 昨年の9月以来、全然更新してませんでした。

 でもずっと本は読み続けてます。ってことで、2010年最初の読書感想文です。

 今年も引き続き、オススメ本募集中です。いいのがあったら教えてください!

 2009年にはまった一人である海堂さんのバチスタシリーズの1作目です。

 ご本人が現役のお医者様ということで、かなりの専門用語がさらっと出てきて最初は困惑します。でもちゃんと素人が読んでも(ちゃんと読めば)理解できるように、登場人物間で解説が入ります。

 一言で言うと、かなり面白いです! リアルな医療行為とともに進行していく殺人事件。ちゃんと最後には全てがきれいに明らかになるので、読後感もすっきりです。

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本




 愚痴外来の万年講師田口先生が、病院長からの匿名で内部調査を開始する。
 調査対象は、「チームバチスタ グロリアスセブン」。
 桐生助教授を筆頭に精鋭が集められたバチスタ手術の専門チーム。
 チーム結成から100%の確率で成功させてきたバチスタ手術が、3例続けて失敗。
 しかも桐生助教授は、その原因が不明だという。

 不運。
 医療ミス。
 悪意に寄って引き起こされた事態。

 最後が原因なら、すなわちそれは殺人だ。
 しかも手術室というある意味密室で行われた密室殺人。
 となると犯人は、グロリアスセブンの中にいる…!?

 お互いの関係性や性格・考えを聞き出していくのは、もちろん愚痴外来の田口先生。
 一通り聞き取りを行い、実際に手術を見学。
 しかし、これが手術失敗の原因と呼べるようなことは見つからなかった。

 やはりあれは不運だったのではと結論付けようとしたところに、颯爽と(?)現れた白鳥調査官。
 外見は小太りなのに、行動は嵐のような役人。
 彼が調査をしたあとには雑草さえも残らないと噂される人。

 彼は断言する。
 「これは7人のうちの誰かによる殺人だ」と。
 
しかも再度の聞き取りによって、ある程度目星がついたという。

 ここからはかなり専門的な話、手法によって犯人があぶり出される。
 最初から舞台は病院だし、調査する人もされる人も医者。
 だけど取っ付きにくさはみじんも感じさせることなく、読み進められる。
 それどころか読み始めてすぐにぐいぐい引き込まれ、ラストまであっという間。

 そして犯人はあの人…。
 殺人の方法はさすがによくわからなかったけど(そこに注射して人間がどうなるかは素人にはわかりませんから)、まあ書いてあるとおりなんでしょう。

 それで終わらないところもおもしろかった。
 田口先生と高階病院長の関係性もたまにくすりとさせられるものだし、正反対っぽいのに田口先生と桐生助教授は気があったみたいだし。

 なにより白鳥調査官の嵐のような攻撃的な調査がメスとなり外科手術を行い、わずかなタイミングで見つかった真犯人。
 あのタイミングが少しでもずれていたら犯人は見つからなかったかもというのは、病院内の医療ミスや殺人の怖さを改めて感じた。
 素人、患者を含めた外部には、何が行われたのか全くわからない密室。
 医療行為は医者のモラルのみでなりたっているのかとも思えてしまってより恐ろしかった。

 映画では、田口先生が竹内結子さんで、白鳥調査官が阿部ちゃんなのね。
 阿部ちゃんは絶対に桐生助教授だと思ってた。
 背が高くて、アメリカ帰りの自信満々な心臓外科医なんて、まさに阿部ちゃん!
 でも確かにメインは田口先生と白鳥調査官だもんね。
 しかもこの二人の絡みって、どんなにシリアスでもどこかクスってしちゃうんだよね。
 それが原作にもかなりあるイメージだから、外見的には違うけど(そもそも男性が女性になってるし)、結構はまり役かも。

 映画も見てみたい!

 で、映画も見ました。DVDで。

チーム・バチスタの栄光 [DVD]

チーム・バチスタの栄光 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • メディア: DVD

 かなり微妙なところでした。二人のやり取りは想像してたとおりに、みごとにはまってておもしろかったんだけど、アチコチ割愛されすぎでした。

 始まってすぐに調査が始まっちゃう感じがしたし、調査方法も白鳥調査官の独特の手法がほとんど省略されていたし。あの聞き取りは彼の手法があってこそ成功したんだと思うので、それを削除しちゃったのは…。

 グロリアスセブン間の人間関係とかも細かく描かれず。だから犯人が突然キレちゃうというか、本性現すところは突拍子もなさすぎた気がした。映画しか見てない人は、あそこどう思ったんだろう?

 とにかく、東野作品同様、映画・ドラマ化はやはりこうなっちゃうんだな~という諦めの結論です。

 


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