「第三の女」 [読書感想文]
初めてっぽい夏樹静子。「Wの悲劇」は読んだかな〜?
始まりはフランスから。
あるホテルで出会う男女。
雷による停電の中、運命を感じ、この出会によって大きく人生が動き出す。
名前も顔も知らない男女の唯一の共通点は、殺したいくらい憎んでいる人がいるということ。
そしてこの日、「勇気が出た」と言い残し去って行く女性。
この次点で彼女には結末までが見えていたんだろうか?
最後の最後は、予想と違うものだったのか。
それとも、自分の最終目標が達せられた後のことまでは、実な何にも考えてなかったとか? それには興味なかったとか?
運命を感じていたのは、男性(大湖)のほうだけで、最初から彼女(史子)には利用することしか考えてなかったのか。
途中から、というかこの出会いだけでも、この後起こることは予想がつく。
そう。交換殺人。
まずは史子から。
用意された(と思われる)コンテに乗って行動していると、大湖が殺したいほど憎んでいる人間が殺された。
これは彼女からのメッセージか。
なんとしても彼女に会いたい。だが会うためには、自分も行動を開始しなくてはいけない。
だが実行しても彼女には会えない。
なぜならいつまでたっても、そもそも史子が誰だかわからない。
見つけたと思っても、別人。これを繰り返し、最後にやっと本物に会えると、会えたと思った一瞬後。
またも別人だった。
どうして!?
先が読めるにしても結構ドキドキして面白かった。
それがさらに、最後の最後でどんでんがえし。
もしかして!?と思った瞬間、やられました。ふう。
さらに警察の考えは、事実と違っていた。大湖にとっては、最悪の方向で。
まさかこうくるとは。
しかも、その後実際どうなったのか語らずに終わる物語。
大湖は、どうなるのか?
警察は事実を解明できずに、独自の考えの元大湖を逮捕するのか。
大湖は真実を警察にわからせることができるのか。
最後に現れた彼女。真実を知っているけど、史子ではない彼女は、どうのように行動するのか。
彼女の言動に、大湖はどう応えるのか。
全てはわからないまま終了。
全てを知りたいけれど、これで終わるのがまたいいのかもしれない。
コメント 0