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「第三の女」 [読書感想文]

 なんとなく目に入ったので、借りてみた。

 夏樹静子。

 言わずと知れた、ミステリー界の大御所女史ですよね。

 「Wの悲劇」は読んだことあったかな〜? ってくらい。
 テレビではよく、「検事 霞夕子」は見るけど。鷲尾いさ子さんのから、最近は真矢みきさんと井上和香ちゃんのコンビまで。ベタな設定だけど再放送やってるとつい見ちゃうんですよね。原作とは違うのかな〜。今度読んでみようっと。

 話がそれました。
 私が勝手に想像していた作品とは全然違っていました。これくらいの大御所ミステリーだから、山村美紗氏とか内田康夫氏とかのかる〜い、やす〜い(失礼)文体・展開を予想していたんですが…。
 夏樹先生! 本当にごめんなさい!
 ストレートにおもしろかったです!

 一気にはまってしまいそうで、すでに3冊目に突入。食わず嫌いだったようです。

 夏樹作品第一弾は、こちら。
 
第三の女 新装版 (光文社文庫 な 1-26)

第三の女 新装版 (光文社文庫 な 1-26)

  • 作者: 夏樹 静子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/05/10
  • メディア: 文庫








 

 初めてっぽい夏樹静子。「Wの悲劇」は読んだかな〜?


 始まりはフランスから。

 あるホテルで出会う男女。

 雷による停電の中、運命を感じ、この出会によって大きく人生が動き出す。

 名前も顔も知らない男女の唯一の共通点は、殺したいくらい憎んでいる人がいるということ。

 そしてこの日、「勇気が出た」と言い残し去って行く女性。


 この次点で彼女には結末までが見えていたんだろうか?

 最後の最後は、予想と違うものだったのか。

 それとも、自分の最終目標が達せられた後のことまでは、実な何にも考えてなかったとか? それには興味なかったとか?

 

 運命を感じていたのは、男性(大湖)のほうだけで、最初から彼女(史子)には利用することしか考えてなかったのか。


 途中から、というかこの出会いだけでも、この後起こることは予想がつく。


 そう。交換殺人。


 まずは史子から。

 用意された(と思われる)コンテに乗って行動していると、大湖が殺したいほど憎んでいる人間が殺された。

 これは彼女からのメッセージか。


 なんとしても彼女に会いたい。だが会うためには、自分も行動を開始しなくてはいけない。


 だが実行しても彼女には会えない。

 なぜならいつまでたっても、そもそも史子が誰だかわからない。

 見つけたと思っても、別人。これを繰り返し、最後にやっと本物に会えると、会えたと思った一瞬後。

 またも別人だった。


 どうして!?


 先が読めるにしても結構ドキドキして面白かった。

 それがさらに、最後の最後でどんでんがえし。

 もしかして!?と思った瞬間、やられました。ふう。


 さらに警察の考えは、事実と違っていた。大湖にとっては、最悪の方向で。

 まさかこうくるとは。

 しかも、その後実際どうなったのか語らずに終わる物語。

 大湖は、どうなるのか?

 警察は事実を解明できずに、独自の考えの元大湖を逮捕するのか。

 大湖は真実を警察にわからせることができるのか。

 最後に現れた彼女。真実を知っているけど、史子ではない彼女は、どうのように行動するのか。

 彼女の言動に、大湖はどう応えるのか。

 全てはわからないまま終了。


 全てを知りたいけれど、これで終わるのがまたいいのかもしれない。


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