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「華麗なる一族」 [読書感想文]

 9月の最初は読書感想文から参ります。

 ドラマを見終わってからすぐに予約したのに、なかなか順番が回ってこなかった「華麗なる一族」。山崎豊子さんの作品自体、これが初めてです。

 まっすぐで情熱的だったキムタクの万俵鉄平さんはよかった! キムタクってかっこいいね~とあらためて思ってしまいました。どれもその役がバッチリはまるのね。「HERO」早くテレビでやらないかな~。(映画館へ行け!)

 原作とは結構重なってるようで、違っていたり。鉄平さんの設定自体がパラドックスのようで。だってひげの濃いキムタクなんてイヤ(笑)。原作を読んでみて、ドラマはちゃんと山崎さんの監修を受けてるのかな~って思いました。裁判のところとかだいぶ違ってる部分も、いい感じに変更されてたから。まっすぐな鉄平像が売り(?)のドラマだったのに、そんなの周知の事実なのにそこがおもしろくない!とか言ってる人がイヤ! だってドラマはああいう鉄平さんじゃなくちゃ、成り立たないから。

 前編楽しみに見てたはずなのに、一部思い出せないところが。訴えが取り下げられそうになったのに、持ち直して裁判が続けられたのはどうしてでしたっけ? 

 個人的な感想です。それでもいいという方は続きをどうぞ。

華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)華麗なる一族〈中〉 (新潮文庫)

華麗なる一族〈下〉 (新潮文庫)

華麗なる一族〈上・中・下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 山崎 豊子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1970/05
  • メディア: 文庫

華麗なる一族 DVD-BOX

華麗なる一族 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/07/06
  • メディア: DVD

 先にドラマを見ていたので、頭の中ではキムタクや北大路さんで話が進む。
万俵大介さんは、北大路さんでイメージどおりかも。
でも原作のほうが、さらに悪どくて鉄平に対して意地悪で冷たい。
 鉄平は自分の子ではなくて先代の子ではないかと疑っているからだけど、原作ではお母さんさえどっちの子なのかはっきりしてなくて、鉄平さん切ない…。切なくてかわいそうだけど、鉄平さん使えなさすぎ。
 鉄平さんはキムタクじゃないな~。浅黒くて、脂ぎってて、眉毛太くて、がっしりしてて、あげくひげが濃すぎて、一日に一回のひげ剃りじゃ足りないくらいだっていうし(笑)。
 年齢とか、四々彦くんたちとの仲間意識とか。原作の鉄平のイメージ・年齢ではやはり経営者としては未熟な面が多々ありすぎたと思う。
ドラマではまだ結構若い設定だったと思うけど、38歳であれじゃあちょっと…。
 しかも経営、営業の面では社内にも完全なる味方はいないようで。とういうことは自分では鉄作りしかできないのに、部下に的確な指示も出せず、信頼もないまま、己の情熱のみで高炉建設を夢見ていたってこと。
ホントに「夢」でしかなかったのかと。
 
果ては、自分でもお父さんの自分に対する思いに薄々気づいていながら、最後まで「親子」の情のみにすがろうとするあたり、やはり経営者には向いていなかったのかも。

 ドラマとは違ってメインは鉄平よりも大介なので、鉄平メインのドラマ の後では余計に、鉄平のなさけなさが際立ったのかも。

 大介お父さんの冷徹さは、怖いほどでした。親子であることを排除というよりも、自分の利益しか見てないというか。
娘による閨閥結婚で生じる娘の苦悩とかも、関係ない。それによって自分が得をするなら、仕方がないというより、当然である、みたいな。

 四々彦と二子のエピソードは微妙。最後まで、四々彦くんってばホントに二子ちゃんのこと好き?って感じ。大事にしていないとか、もっと親身になってあげてよ、とかではなく。その反対にホントに好きで結婚するのかしら?って思いました。まあ恋愛小説ではないので、割愛されちゃってるだけよね。

 銀行の合併云々については、やっぱりしっかり書かれていて、うなりました。ホント現代を予言していたかのような。

 原作では裁判では争わないのね~。ドラマではそこが結構ドキドキだったから、あっさり訴えが取り下げられて、鉄平さんたらホントに詰めが甘いわね~って。(笑)

 大介からはめられたとはいえ、結局のところ高炉建設がうまくいかなかったのは自分の未熟さのせいじゃないかしら。

 なんの言い訳も、誰に対しての謝罪等もなく、自殺しちゃうところとかも、ただただ最後までお父さんのいじわる~って言ってるようにしか思えなかった。
 これじゃあ大介にはめられ、部下にはめられ、日銀には見捨てられ、銀行を去るしかなかった三雲さんは、ただの犬死にじゃないでしょうか。
 かといってこの人も、結局鉄平にすべてを賭けた自分は間違っていなかったし、彼を自殺にまで追い込むようなことをした大介が悪いと最後まで思っているようなところが、銀行家としては甘ちゃんで、鉄平とともに共倒れしたのも当然かなと。

 そして一番リアルで政治の怖いところが、一人勝ちに見える大介さえも、次は飲み込まれる側になる運命。
 しかも裏切り者は内側にいるし。
 なんだかんだいって、自殺までしちゃった息子を惜しみ、やりすぎちゃったって思ちゃったし(笑)。

 親子の確執の元である、本当に親子か否かがどうやって判明するのかと思ってたら、あっさり「血液型の間違い」でカタが付いちゃってびっくり。
 ドラマでは特に、洋館に住み、洋服を着て生活をしていたし、お金持ちだから車もあるし、現代とあまり変わらない生活。さらに銀行合併の話なんて現代では当然のようにあるから、錯覚していました。時代背景を。

 だからまさか、血液型の間違いくらいはよくある話ですよ~って。そんなオチ(笑)。
 忘れてましたよ。戦争が終わってからまだそんなに経っていない時代だったってことを。

 情に訴えるとこが大きかったように思えたドラマと、銀行こそが「伏魔殿」みたいな、現実的で冷血な原作。
どちらもそれぞれ面白かったです。

 昔、北大路さんは四々彦くん役だったらしいけど、そっちも見てみたいな~。あくまでもキムタクのイメージの鉄平を、あの北大路さんがって笑える。


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コメント 4

ringoさん、久しぶりです。
「華麗なる一族」面白いですか。
俺のまわりでも評判いいんですよ。
ん〜どうしようかな?
俺もドラマ観ようかな?

俺のブログで紹介しているんですが
「極大射程」面白かったです。
ただ、内容が凄腕のスナイパーの話なので
女の子が読んでど〜かな?
っておもいますが
俺は、原作、映画共に面白かったです。
暇だったら読んでみてはいかがでしょう。
ん〜でも女の子向けじゃないかな、ハハハ。
by (2007-09-12 20:03) 

ringo

BeerMANさん。こんにちは。
「華麗なる一族」おもしろかったですよー。
どっちも面白いですが、熱血・純情・がんばりやさん(笑)みたいなのが平気ならドラマもいいですよ。
女子としてはキムタクってところで、すでに、いえいえおおっぴらに判官びいきで見てしまっているので、おもしろかったです(笑)。

凄腕スナイパー(笑)。
ハードボイルドですか?
とりあえず、次は旅行後に。
そうそう。今年の旅行は、BeerMANさんのおかげで余計に
おもしろいものになりそうです。
BeerMANさんオススメの「天使と悪魔」、呼んで正解でした。
ありがとうございます〜☆
by ringo (2007-09-14 15:21) 

ringoさん、こんばんわ。っていうかおはようございます。
今、仕事から帰ってきました。

行っちゃいますか。いいな〜。
楽しんできてくださいね。
旅行記upしてくださいね、楽しみにしてます。
by (2007-09-16 03:56) 

ringo

BeerMANさん。こんにちは。
行ってきちゃいました。
楽しかったです。疲れましたが。
旅行記、今年も時間がかかりそうな気がしますがなんとかがんばります!
by ringo (2007-09-25 18:02) 

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